人間の心理

心理学から紐解く人の心理

「トナラー達の心理」

<トナラーとは>

10人に1人がそうだと言われている、トナラー達の意外な心理。

ガラ空きなのに何故か隣に座る人。

電車でカフェで、周囲がガラ空きにも関わらず、敢えて隣に来る人々、隣に座る人を「トナラー」と呼ぶ。

元々は、ガラガラの駐車場で隣に停める人を指した言葉だそうだ。

<何故か隣に>

例えば平日の昼下がり、ローカル電車の席は十分に空いており、7席横並びのシートには1人客とカップルが1組、両端に座り、真ん中4席が空いている、向かいの7人掛けも、同じ車両の他のシートも似たような状況。

途中の駅で、顔を扇子であおぎながら乗ってきた体格のいい中年男性が躊躇なく1人客の隣に腰掛ける、驚いた1人客は否応なしに姿勢を正し、少し肩をすぼめて座り直す。

確かに何処に座ろうと人の自由、ただ、空いてる席は多くあり、両隣に誰もいない席を選ぶ事もでき、何故そうなる?とモヤモヤが募ってしまう。

<10人に1人が概念希薄>

この様な経験を持つ人は多く、他にも、2人席が並んだ新幹線で「隣、あいてますか」と声をかけられ、2席とも空いてる席はあったのに、反射的に頷いてしまったり、空いているカフェで一番奥の2人掛けテーブル席に座っていたら、店員さんが「お好きな席へ」と案内しても次に来た人が何故か隣に座ったりなどというケースがある。

トナラーの中にはセクハラまがいの不届き者もいるが、そうとは思えないケースも少なくない。

<隣に座る心理>

何故、隣に座るのか。

パーソナルスペースの観点からだと、そもそも、隣に座られると人はおよそ不快感を覚える。

真っ先に来る理由は、自分が快適に過ごすための空間が侵されたと感じるから。

パーソナルスペースの広さは環境や状況で変化し、ガラガラの電車内や空いているカフェでは自分のテリトリーと認識する範囲が広くなる。

隣に座られても満員電車のような密着は無くても満員電車以上に不快に感じるのも自然。

無頓着な人は、このパーソナルスペースを侵したり、侵されても平気でいられる。

認知の特性でそうした概念の希薄な人が、10人に1人で、彼らは何の悪気もなく、自身のこだわりで席を選んでいるという。

こうした行為が「トナラー」と認識される。

20代の会社員男性は過去、電車で何げなく座ったところ、隣の人が不服そうな顔をして移動していくことが何度かあったり、飲食店では「なぜ隣に?」と苦言を呈された事もあるそうだ。

又、悪気も何も無く、電車ならここ、バスならここ、よく行くカフェならここ、と気に入っている席があるケースもあり、空いていれば周りの状況に関わらずそこに座りたい、埋まっていても空いたら移動出来る様に近くに座りたい、車両全体がどのくらい空いているかより、座りたい席の周辺に意識が向いてる場合もある。

<近くにいる安心感>

強弱の差はあるものの、こうした「こだわり」を持つ人も多いのかもしれない。

コロナ禍によって、トナラーが増えた可能性もある。

コロナ禍初期は、社会全体に強い不安感情があり、2年半たった今もリモートワークが続くなど、人との関わりが減っているのも確か。

不安感が強いほど、誰かの近くに居るこ事で安心感を得ようとする心理も働くのではないか。

<まとめ>

トナラーの多くには、悪気も、特別な意図もないのかもしれない。

ルール違反では無いので難しい所もあるが、大切な事は、パーソナルスペースを侵されると多くの人は不快感を覚えるのだと社会の共通認識にする事。

確かに相互理解も大切で、他人のパーソナルスペースを意識しない人がいると言う事も理解する必要はあるが、無駄な不快感を生まない為にも、空いてる場所は有効に使いたいものだ。

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