<子供への特性について>
先ず、全ての子供に当てはまる適切な指導はない。
どんな指導法も一つの成功事例にとらわれず、子供の特性を見分けて柔軟に使い分ける必要がある。
<みんな仲良くの現実は>
実は、みんな仲良しを目指すからトラブルになる。
学校で、みんなが仲良しのクラスという目標は、担任として立てやすいだろう。
仲間外れになる子や一人ぼっちになる子がいなくて、みんなが仲良く活動できるクラスは理想的で、全ての学級がそうであってほしいと思うからだ。
ただ現実はそううまくいかず、年齢が上がるに連れ、子供達の自我が発達し、価値観が合う子、合わない子が顕著になってくる。
異性を意識するようにもなり、これはごく当たり前の成長で、特段気にする必要もない。
それでも、みんな仲良しクラスを目指す担任がいるとトラブルが起きてしまう。
<例えばこんな2つの事例>
1つ目→ケンカが絶えない子供同士でも仲直りさせようとすること。
お互い、相性が悪く、一緒にいるとトラブルになる2人がいたとしよう。
普段から距離を取らせておけばトラブルが防げるのに、みんな仲良しという目標があると、そうは行かなくなり問題が起こるたびに、教師は仲直りさせようと努力する。
そして当事者の二人も、振り回され、周りの子もストレスになる。
性格が合わないのは本人たちが良く分かっており、合わない人との適切な距離感を教える方が、クラス内の人間関係を良好に保つことに繋がる。
そもそも「1人でいること」は悪いことではない
2つ目→1人で過ごすのが悪いという空気が生まれること、そもそも1人でいることへ悪いことではない。
先生の、1人でいる子をなくそう、皆んな一緒に外で遊ぼうなどのキャンペーン活動はするべきでない。
正しくは、遊びの輪に入りたいけど、入れないで悩んでいる子に対する時で、1人でゆっくり過ごしたい子には迷惑。
1人で居ることはダメで皆んなと遊ぶのは良いという価値観が集団にできて、1人にならないように、グループ意識が強くなったり、1人で居る子がいじめの対象になったりする危険性が出てくる。
皆んなが仲良く過ごしている様子だけに囚われると失敗する、個々の子供が自分らしく過ごせる環境が最優先だろう。
<誰も傷つけないクラスが理想>
皆んな仲良しクラスが危ういとしたら、どの様なクラスを目指せば良いのか。
互いの存在を否定しない環境を目指すべきで、誰も傷つけないクラスが良い。
つまり、子供の人間関係を上手に整理しておくと学級作りが上手く行く。
気が合う、合わない、を良く理解し、ぶつかりそうな場合は適切な距離感を教え、皆んなで遊ぶのが好きな子、一人で過ごすのが好きな子、色々な価値観をもった人が居ると伝える。
トラブルが起こるたびに継続して指導や助言することで、人間関係の交通整理をする。
<まとめ>
揉め事が起きたら、先ず生徒から事情を聞く。
そして今後どうしたらトラブルを避けられるのかを一緒に考える。
その中で、相手との関わり方を助言する。
助言内容は、遊ぶグループを変えることや、授業以外ではあまり関わらないことを提案。
子供達が、お互いの特性を理解して、関わり方が分かれば、その後はみんなが自分らしく、傷つけ合うことなく、安心して過ごせる。
互いの存在を否定しない環境は、いじめを防ぐことにも繋がり、皆んなを仲良しにしなくても、温かい雰囲気のクラスは作れる。