人間の心理

心理学から紐解く人の心理

「発達障害の子供達の現状」

<今の発達障害の子供達の現状>

学校から薬を勧められる「発達障害」の子供達。

今、普通学級には「発達障害」の子供は在籍しにくくなっているという。

日本で子供の人口が減少する中、発達障害と呼ばれる子供は増え続けているらしい。

2006年には7000人余りだったが、2019年には7万人を超え、それに伴い、子どもへの向精神薬の処方も増加しているというのだ。

では何故、発達障害の児童数はここまで増えているのか、又、発達障害の早期発見、投薬は子供達を救えているのか。

<何度も薬を勧められる>

都内の公立小学校に通う息子さんが小学3年生の時、母親のAさんは、学校の面談で特別支援教室の教師から言われた言葉に戸惑ったという。

息子さんは、低学年の頃から授業中に教室の外に出てしまったり、同級生にちょっかいを出したりと落ち着きが無く、これまで学校の面談では、何度も服薬を勧められる。

その内容は「小さいうちのほうが少量で済むから、薬を飲んだほうがいいですよ」「薬を飲んで落ち着いた子もいます」と言われた。

学校の面談で言われている以上は何かしなきゃと

思ったAさんは、子供の発達障害を診る近所のクリニックに息子を連れて行くと、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断された。

ADHDは、不注意と多動、衝動性が特徴とされる発達障害の1つ。

<学校が服用を推奨>

学校から見ると「問題行動」と言われる言動があり、同級生とトラブルがあると学校から連絡が入り、Aさんは菓子折りを持って相手の親に謝りに行ったことは一度や二度ではない、それでも、Aさんは、現段階で薬を飲ませたくなかった。

確かに自分もイライラして薬さえあればと思うものの、一度飲み始めると、何時まで続けるのか分からないし多動は成長して落ち着く事もある為、今は薬に頼りたくないというのが結論。

本人が薬を理解したら考えようと思った。

しかし、教師や副校長に囲まれる面談が毎回憂鬱でたまらない。

医者よりも学校の先生から薬を勧められるのが、一番つらいという。

Aさんの様に学校から促された事を切っ掛けに医療機関につながるケースは珍しくない。

<医師の見解>

複数の医師によると、学校から薬の服用を推奨されて医療機関を訪れる患者がいるという。

薬で全て解決すると思い、薬を出してもらえと家族に命じて、患者を受診させる教師もいる。

しかし、私はそんな魔法の様な薬はないのだ。

小学6年生の息子がいる別の女性は、ちょっと問題があると発達障害を疑われると憤る。

3年生の時に学級崩壊が起こり、36人中8人もの子が、担任教師から、どこか(医療機関)に相談した方がいいと受信と検査を勧められた。

そして学年が上がり担任が変わると、何も問題が無くなった。

発達障害は原因が明らかでないため、血液検査や脳波などの数値で診断されるものではない。

国際的な診断基準や知能検査などの尺度はあるが、最終的にはあくまで医師の問診によって診断される。

家庭や学校での様子を家族から聞き、落ち着き度や衝動性などの特性がどの程度ならば発達障害なのか、それは医師の判断にゆだねられる。

文部科学省の統計が示す急増>

学校で発達障害の子供は増えている。

文部科学省は、普通の学級に在籍しながら週に何日か別の教室で授業を受けている軽度の障害のある子供数数(通級指導を受ける児童数)を集計しているそうで、2006年に約7000人だった発達障害の児童生徒は、2019年には7万人まで急激に増加している。

それに伴い、脳の中枢神経に作用する向精神薬の投与も増えている。

医療経済研究機構が2014年に発表した研究によれば、13歳~18歳の患者のうちADHD治療薬を処方された割合は、2002年~2004年と2008年~2010年を比較すると、2.5倍となり、ADHD薬だけでなく、抗うつ薬抗精神病薬はそれぞれ1.4倍となっている。

<根本的な事を見誤ってはいけない>

発達障害に使われる薬はどれも障害原因そのものを改善する根本的な治療ではなく、多動性を抑える、いわば集中力を高めるといった対症療法だ。

こういった向精神薬の服用を疑問視する声は、一部の教員達からも上がっており、ある教諭は、クラスに2~3人は発達障害で薬を飲んでいる子がいるという。

効果がないと量を増やされたり、薬の種類を変えられたりする。

学校側はやっとの事で落ち着いて良かったと思うが、薬を過剰投与され、ボーッとしているだけに過ぎず、更に薬を飲んで食欲がなくなり痩せていかなどの副作用があり、治療になっていない。

<難しい子の排除しがちな思考>

その教諭いわく、学校のルールが細かくなったことで、今まで問題がなかった子供まで、あぶり出されるようになっていると語っている。

以前はいろんな子が普通学級にいたが、今は「定型発達」(発達障害のない状態)の子供しかいられない教室になってしまっている。

問題のある子供に対しては、先ず、特別支援教室を勧め、改善が見られなければ特別支援学級への転籍を勧める。

転籍ができず、普通学級にいることになった場合、薬の量を増やそうという話になるそうだ。

現に、現在6年生になったAさんの息子さんは、副校長から、もっと楽に行ける学校があるのではと他校にある特別支援学級への転籍を遠回しに言われている。

<まとめ>

この様な発達障害とされる子供を排除する一因は教員への管理強化で、2000年以降、教員への人事評価制度が徐々に導入され始め、2016年に義務化されている。

管理職が教室を見た時に評価が下がらない様にするには、問題のある難しい子は排除したい。

それを上手く、別の場所に行った方が、その子の為ですよという正当性のある言葉を使う。

多くの教師が子供の為という理由で発達障害を見つけ、医療機関に繋げ、その裏には、教師への締め付けや業務過多から学校の為という本音もあることは否定できない。