<静岡県で起きた悲劇>
近年、相次ぐ保育園児への虐待事件の背景には、保育士が恐れる「魔の1歳児」というのがあり、どうしても手を出してしまう「瞬間」があるそうだ。
昨年11月、静岡県裾野市のさくら保育園で起こった壮絶な園児虐待事件は、1歳児を受け持つ3人の保育士が、共同し、園児をバインダーで叩いたり、頬をつねったりと、言葉を話せぬ園児に対して、目を疑いたくなるような虐待の数々が明らかになった。
更に、その虐待は常軌を逸し、犯罪へと手を染めていった様だ。
園児をカッターナイフで脅したり、逆さづりにしたり、倉庫に閉じ込めたり、就寝中には、「ご臨終です」と話しかけるといった、目に余る虐待の数々が発覚した。
そして最も驚くのは、園自体が、この虐待を隠蔽しようとしていた事実だ。
なんと、園長である桜井利彦園長が、暴行が発覚したあとも、職員に口外しないように口止めをしていたというのだ。
<理由にならない紛れもない事実>
昨年12月、3人の保育士は暴行の疑いで逮捕され、虐待の原因をそれぞれ「園児が言うことを聞かないのでやった」「業務に忙殺されてやった」と話しているが、それは理由にならない、紛れもない事実である。
関西にある保育園で保育士として働くKさんは、1歳児は本当に狙われやすいという。
「さすがに静岡の保育園の虐待事件まではいきませんが、当園でも、目に余る虐待事件があり、園長に報告して、保育士を辞めさせた事例もあります」とコメントしている。
<魔の1歳児と呼ばれる意味>
静岡ほどの残虐性はないが、この騒動を切っ掛けに、次から次へと保育園の虐待騒動は連日報道されており、保護者としてはにわかに信じがたい虐待事件であるが、そこにはある1つの大きな理由があった。
1歳は本当に大変で歩き回るうえ、言葉では理解できないので、こちら側が力づくでどうにかしないといけない局面がどうしても出て来る。
つまり、少しお尻を叩くというのは日常にある。
だから、1歳児は保育園で一番手が掛かるのだ。
0歳児はまだ寝ていることが多く、動き回らない。
人手も足りるし、外に行くことも少ない。
1歳児は自我も強くなり、なんでもかんでも自分でしたいのがこの時期らしく、実際には保育者のサポートがないと行動できず、一番手が掛かる年齢でもあるという。
<虐待の心理>
kさん、は1歳児とは別のクラスを担当していたある日、トイレで泣き声が聞こえて来る。
結構大きな声で連日「ぎゃーっ」一体何があるのかと同じクラスの担任に聞いたら、どうやらおしっこ失敗したらつねってるらしかった。
驚いたのは、気がついていたのに何故報告しないのか、ありえないと思ったそうだ。
kさんは、すぐに園長に報告した。
保育士といっても人間であり、園児に対し、怒りを抱くのは理解できる。
保育士は聖人君主ではないと、kさんは保育士のイメージが一人歩きしていることにも危惧していると言い、保育士も1人の人間、怒ることもある。
それを、保育士だから優しい、園児に何を言われても、何をされても怒らないというのは大きな誤解なのだと。
保育士も人間である、多忙な職場環境を強いられる中、抵抗できない、親に言いつけることのできない1歳児に怒りの矛先が向くことは当然起こりうる。
1人1歳児を6人見る無理な状況に追い込まれるヤバすぎる労働環境もある様だ。
<まとめ>
国の掲げる少子化対策は、理想だけではなく、もっと現場を把握して迅速に対応を進めるべきだ。
自分で動けるようになった1〜2歳児は親が直ぐ側で見ていてもヒヤッとする日常の連続で、何人ものお子さんを預かっている保育士はとても大変だ。
ただ、職員増員や給料増やしても改善されず基本給その額に慣れてしまうから虐待予防にはならないだろう。
例えば、園児全員の保護者が誰か一人でもいる様にに出来たらかなりの抑止力になるのではないだろうか、毎月行くのは無理だとしても2数ヶ月に一度で良いから何とか参加するなどして早期発見、又は防止策を作るべきだ。