人間の心理

心理学から紐解く人の心理

「絵心は人それぞれ」

<子供の絵と心理の関係>

子供の絵には、無意識の心理状態が表れると考えられ、大人が論理的に色や形を決めるのとは違い、まだうまく言葉にできない自分の感情を色使いやモチーフで表現している。

子供の気持ちを絵から読み取るアートセラピー色彩心理学の知見は子供の絵と心理の関係がある。

<絵心とは>

① 絵をかく心得や趣味、それを解する心。

② 絵をかきたいと思う気持ち。

③ 情景が絵画的に美しく整っているさま。

絵心のある?なし?は、これは一概に絵の上手や下手だけでは決められないと思う。

ただ上手いだけなら写真を写すのと変わらないだろう。

つまり絵心は、のびのびと描いたり、感情を込めて描いたり出来る事ではないだろうか。

絵が好きな気持ちが必要不可欠で、誰にでも初めはあるのだと思う。

やがて絵が苦手になったり、嫌いになったりする人に分かれて行く。

<大人になると絵が苦手になる訳>

本来描くことは面白い。

でも小さい頃は「おえかき」が好きだったのに小学校、中学校、と年齢が上がるにつれて絵が「苦手」になってしまう人が多い。

「苦手」の理由は上手に描けないからという人が殆どだという。

おそらく上手下手という基準で絵を評価されてきた事に問題があるのだと思う。

例えば、子供の絵を褒めようとしても、つい使ってしまう言葉は「上手」ではないだろうか。

評価は悪いことではないし大きなモチベーションにもなる。

でも評価の基準が狭い事が問題だ。

<実写的か記号的か>

大抵「上手」と言われるのは、見たモノの形をより写実的にとらえた絵のことだ。

でも写実的な絵は、子供が描くような記号的な絵の延長には無く、描こうとするものがまったく違うので難しくて当たり前なのだ。

記号的な絵は、知っているモノを描く絵であり、頭のなかにある表象スキーマの要素を一つひとつ表すような絵だ。

それはつまりモノの「認知(認識)」を表出している絵ともいえるだろう。

それに対して写実的な絵では、光の配列などのモノが認知される前の視覚情報、つまり「知覚」を表出しようとしている。

<面白いに優劣は無い>

デッサンなど、見たモノを写実的に描く練習は、概念に囚われずに知覚的にモノを見る重要なトレーニングなのだと思う。

だが写実を極めることが芸術の本質ではない。

美術教育の最終目標でもないはずだ。

例えば、子供の絵をどう評価し、何を目指せばいいのかという時「上手」の代わりに推したいのが「面白い」だ。

「上手」と違って「面白い」に優劣はないので誰が見ても「面白い」という絶対的な評価もない。目の付け所が面白い、アイデアが面白い、色の組み合わせが面白いなど、色々な視点からの評価が出来る。

<まとめ>

そもそもモノの見え方や捉え方は、人によって結構違う。

それまでの経験が違えば、積みあげられてきたスキーマが異なるからだ。

絵にはそうしたモノの見え方の違いが垣間みられ、その面白さを引き出し味わう姿勢が大事だと考える。

【絵心】動画 https://youtu.be/aRK8WwNZyE0

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